
薬草について学ぼう第一弾!今回は身近な植物であり、日本三大薬草の一つ「ドクダミ」について紹介します!
このページではこんなことがわかるよ!
ドクダミってなに?


ドクダミは、日本の本州~琉球にかけて身近に生える有名な植物の一つなんです!
【ドクダミの由来】
「ドクダミ」とは、毒矯み(毒を抑える)が由来といわれており、このような名前は「和名」と呼ばれ、日本で通じるあだ名のようなものです。

世界共通の名前が「学名」です!では、ドクダミの学名を見てみましょう♪
【学名解説】
ドクダミ科ドクダミ属
学名『Houttuynia cordata Thunb.』
Houttuynia…ドクダミ属
⇒Thunb.さんが、オランダの医師で博物学者のMartin Houttuynia(1720-1794)さんに敬意を表してこの名を採用したと考えられている。
cordatus…心臓形の(普通のハート型の逆向きのもの)
Thunb.(ツンベルク)…カール・ツンベルク
⇒江戸時代の日本に滞在したスウェーデンの植物学者で、シーボルトよりも早い時代に来日した人物。日本の植物を数多くヨーロッパに紹介し、1775年に「Houttuynia cordata」を「Flora Japonica」に初記載した人。
【分布】 本州~琉球、中国、ヒマラヤ・東南アジア
【生態】
・日向でも日陰でも生育可能(どちらかというと半日陰の方が好きな気がする)
・土の中で伸びる茎「地下茎(ランナー)」を伸ばして増える植物なので1株あるとめちゃくちゃ増える
・しかし、育てようとすると難しかったりすることも(笑)

ランナーで増えるので、鉢で育てようとすると周囲をぐるぐるしてあまり伸びることができませんし、「なんかここしんどい、無理~」ってなるのかもしれません!

基本的にマイペースな印象ですね!

何人にも縛られずに生きたい…私は自由なのよ

ドクダミには花弁がなく、白色の花弁に見えるのは「総苞片」という花を支えるために葉が変化したもので、花は真ん中の棒状の一つ一つ。

つまり、遠くから見ると「一つだけ白い花が咲いている」ように見えるけど、じつは一つの茎から「無数の花が咲いている」というわけなんです!花は下から順に咲いてきます♪
薬効
【薬用部位】花期の地上部を乾燥させたもの
(花をつけたドクダミがクエルシトリンを最も多く含んでいることから)
【生薬名】十薬<ジュウヤク>
ドクダミには多くの効能があり、十もの薬になるといった意味があります。公益社団法人 日本薬学会によると「馬がかかる十種の病に効果があるという江戸時代の言い伝え」からこの名がついたのではないかといわれています。

ところで、皆さんはドクダミの臭いを嗅いだことはありますか?
なんともいえない独特の臭い…除草中に抜いた際には一瞬で「うわードクダミ抜いた~」と一瞬でわかるくらいの異臭を放ちます(笑)この臭気成分は揮発性成分のデカノイルアセトアルデヒドという精油成分です。

簡単に有効成分と効能についてまとめてみました!
成分 | 効能 | 備考 |
デカノイルアセトアルデヒド | 殺菌、抗菌効果 ※揮発性成分なので、この成分を用いたい場合は生の葉を用いる。 | 葉を乾燥させると分解されるため、臭いがなくなる。そのため、葉を乾燥させて飲むドクダミ茶は独特の臭いが消えていて飲みやすい。 |
イソクエルシトリン | 美白、抗酸化作用、毛細血管の強化 | 花に多い |
クエルシトリン | 利尿作用、抗炎症作用、毛細血管の強化 | 葉に多い |
クエルセチン | 利尿作用、抗炎症作用、血管の拡張 | |
ルチン | 血管を丈夫にする | |
カリウム塩 | 尿の排出を促進 |
カリウム塩…カリウムは体内のナトリウム※とのバランスを保ち、余分なナトリウムを体外に排出してくれることによって、血圧を下げる効果が期待できる
※ナトリウム…体内の水分バランスを調整し、血液量を増やし、血管を収縮させる作用ももつため、血圧を上げる効果がある
細かい成分は他にもたくさんありますが、上記のような様々な成分が含まれています。
参考ページ:ドクダミ | 成分情報 | わかさの秘密
ドクダミの使い方
[生葉]
・葉をすり潰して、虫さされに

蚊に刺されたときに、葉をすり潰して腫れた部分に使ってみましたが、少し腫れの引きが早かったです。
人によっては荒れたりすることもあるかもしれないので、チンキなどにして薄めて使ってみるのがよいかもしれません。
・アルコールに漬けて、ドクダミチンキに

ドクダミを洗って、水気を切って、アルコールに漬けるだけだから意外と簡単なんです!
ドクダミチンキの作り方


ドクダミを採取
⇒水で洗う(虫や土汚れを取り除く)
⇒洗った分の水気が取れるまで乾燥させる(半日ほど)
⇒消毒した瓶を用意し、ホワイトリカーや焼酎などのアルコールをひたひたに浸かるまでそそぐ
⇒1日1回以上振ってなじませる
⇒1~3カ月経ったら完成(どれくらい置いておくかはお好みで)

1年後くらいまで置いておくと、琥珀色になるそうです。
1日1回は瓶をゆするのがよいそうです。
[虫よけスプレーにする場合]
【50mlの虫よけスプレーを作る場合】
・ドクダミチンキ:5ml(全体の10%)
・精製水:45ml
※水道水をご使用の場合は、不純物が多く含まれるため、10分以上沸騰させてから完全に冷まして使うことをおすすめします。
ドクダミチンキと精製水をスプレーボトルに入れて混ぜてから使用する。
[化粧水にする場合]

化粧水を目的にするなら、花だけのドクダミチンキがおすすめだそうです!
【50mlの化粧水を作る場合】
・ドクダミチンキ:2.5~5ml(5~10%濃度)
・精製水:45~47.5ml
・植物性グリセリン(あれば):1ml (保湿成分なのでなくてもOK!)

チンキの原液はかなり濃いので、顔回りに使う際は最低でも10倍以上薄めて使うとよいそうです。人によって合うかどうかは異なりますので、必ず少量からお試しください。
[乾燥葉]
ドクダミ茶の作り方
ドクダミを採取
⇒水で洗う(虫や土汚れを取り除く)
⇒乾燥させる
⇒葉を刻んでお湯を注ぐ
⇒1~2分ほどしたら葉を取り出す

煮出し過ぎるとえぐみが出ることもあるので、どれくらいが好みかなのか、いろいろと変えてみるのがよいと思います!
【作用】利尿
【薬効】解毒、消炎、解熱(炎症によるもの)
解毒(体内に生じた老廃物や毒素を排出する)
⇒利尿や排便を促す作用
⇒便秘により肌荒れが起きていた場合は肌荒れが解消することも
消炎(弱った胃腸に働きかけ、傷を治す)
注意点
※他の商品との併用により、悪い影響があることもあります。
・妊娠・授乳中の方は使用前に医師に相談されることをおすすめします。
まとめ
いかかでしたか?
ドクダミは古くから日本にある重要な薬の一つ。良く見かけるものだからこそ、それだけ強いという証。強いものには秘められた薬効も多いのかもしれませんね。
・ドクダミの白い部分は花じゃなくて、葉が変化したもの
・根っこを伸ばして増える
・日本三大薬草の一つ
・生薬名「十薬」
・解毒、消炎、美白効果などの薬効は、部位や生葉や乾燥葉によって異なる
皆さんのドクダミを見る目が少し変わったのではないでしょうか!
ドクダミは、5月~7月頃の花が咲いている時期の地上部が最も薬効成分が多く含まれているそうなので、ぜひ、家の庭や採取可能な場所に生えているドクダミがあれば、試してみてくださいね。
コメント